回族の起源は、対外交易が盛んであった
唐から
元の時代に、
中央アジアや
インド洋を経由して渡ってきた
アラブ系・
ペルシア系の外来ムスリムと、彼らと通婚し改宗した在来の中国人(主に漢族)にあると言われている。回族のコミュニティには普通、
モスク(中国語では「清真寺」と表記)があり、聖者廟を有する場合もある。言語は
中国語を用いるが、イスラームに関わる用語に
アラビア語・
ペルシア語・
テュルク語に由来する語彙を持つ。
姓名は漢族と異ならないが、
預言者ムハンマドの名から取った「馬」の姓が多く見られるともいう。回族は漢族などと雑居しながらもイスラムにのっとった生活を行い、漢族とは食習慣や
冠婚葬祭などの習俗を大きく異にしており、この違いが回族の民族としてのアイデンティティの拠り所となっている。
清の時代には彼ら漢族化したムスリムは漠然と「回民」あるいは「漢回」などと呼ばれていた。
中華人民共和国は彼らムスリムを少数民族「回族」として認定する政策を取った。「回族」は当初は独立民族としての認定を目指す回民の側の要求により設定された特異な民族枠(これは回民が体験させられて来た清代・中華民国時代の歴史的な経緯、政治的・経済的な事情や、民族集団の自意識を言語や形質ではなく信仰する宗教によって分けて考える回民の側の意識の表れ、中華人民共和国政府当局の民族自決のイデオロギー、漢族の側の回民に対する差別意識、などから来ている)であったが、民族政策の都合上、血統による民族集団へと転化し、回族の血は引いていてもイスラム教の信仰を失っている者が回族を名乗る例も珍しくなくなった(これは、回族になっていれば少数民族として優遇措置を受けることができるためでもある イスラムを信仰する漢族も回族と呼ぶのか、信仰を捨てた回族を回族と呼んでいいのかという問題も起きている)。